🏠 不動産売却前に知っておきたい「現況測量」と「確定測量」の違い

山形・仙台・宮城エリアの土地家屋調査士がわかりやすく解説

はじめに:土地を売る前に「測量」を知っておこう

土地を売却する際に、「測量が必要です」と言われたことはありませんか?
測量とは、土地の形・面積・高低差などを機械で正確に測る作業のことです。
この測量結果をもとに、不動産会社は査定や販売活動を行います。

実は、測量には「現況測量」と「確定測量」という2種類があります。
それぞれの違いを理解しておくことで、土地の売却を安心・安全に進めることができます。

本記事では、山形県・仙台市・宮城県エリア中心に業務を手がける
土地家屋調査士が、実例を交えてわかりやすく解説します。

現況測量とは(おおまかな測量)

現況測量とは、今ある境界杭やフェンス、ブロック塀などをもとに行う測量です。
隣地所有者との立会いや境界確認は行わず、現在の土地の形やおおよその面積を把握することを目的とします。

現況測量図

主な利用シーン

  • 不動産会社が査定を行うために、概算面積を把握したいとき
  • 売却を検討しており、土地の状況を確認したいとき
  • 現況図面を作成して土地利用の計画を立てたいとき
  • 建物を建築する際に土地の状況を参考にしたいとき

現況測量は比較的短期間で、費用も抑えられます。
山形・仙台エリアでは200㎡程度の土地に対して10〜20万円程度・1〜3週間が目安です。

ただし、現況測量はあくまで「現状の推定範囲」であり、法的な境界を確定するものではありません。
売買契約を進める段階では、次に説明する「確定測量」が求められるケースがほとんどです。

確定測量とは(法的に境界を確定する測量)

確定測量とは、隣地所有者全員の立会いと合意を得て、正式に境界を確定させる測量です。
土地家屋調査士が登記資料・地積測量図・公図などを確認しながら、隣地所有者と協議を行い、
合意を得た境界点に新たな境界標を設置します。

確定測量図

測量の流れ

  1. 隣地の所有者と現地で境界を確認
  2. 合意を得た境界点に杭を設置
  3. 筆界確認書に署名・押印をもらい、「確定測量図」を作成

確定測量は**時間と費用(200㎡程度の土地に対して30〜50万円前後・約1〜3ヶ月)**がかかりますが、
境界トラブルを未然に防ぎ、買主に安心感を与えるという大きなメリットがあります。

特に仙台市や山形市のように宅地化が進む地域では、
数センチの境界誤差が査定額や建築計画に影響することもあるため、正確な測量が重要です。

なぜ不動産売却には確定測量が必要なのか

土地を売却する際、売主には「買主に境界を明示する義務」があります(民法415条債務不履行)。
つまり、買主が安心して購入できるように、境界をはっきりと示さなければなりません。

現況測量では、あくまで“現状からの推定範囲”にとどまるため、
法的な境界を証明する資料にはなりません。
そのため、売買や分筆登記の際には、確定測量を行うことが望ましいのです。

ただし、以下のようなケースでは現況測量で済ませる場合もあります。

  • 隣地所有者とすでに合意済みで、境界に争いがない場合
  • マンションなど敷地を分けて売却する必要がない場合

比較まとめ:現況測量と確定測量の違い

項目現況測量確定測量
境界立会い不要隣地所有者と実施
精度おおまか登記レベル(法的確定)
目的土地状況の把握・査定用売買・相続・登記手続き用
費用目安(山形・仙台)200㎡程度10〜20万円30〜50万円
所要期間約1〜3週間約1〜3ヶ月

まとめ:確定測量で安心・安全な取引を

現況測量は「現状を知るための測量」、
確定測量は「法的に境界を確定するための測量」です。

山形県や宮城県では、近年の宅地開発や相続による土地取引の増加により、
確定測量の重要性がさらに高まっています。

不動産売却を安全・確実に進めるためには、
地域の事情に詳しい土地家屋調査士へ早めにご相談ください。

また、建物登記や農地転用など、その他の手続きについても
【 サービス案内ページ 】で詳しくご紹介しています。

📍地域対応エリア

当事務所(山形県村山市所在)は、
山形県内、仙台・宮城県内などを中心に、
土地家屋調査士・行政書士として境界確定測量・分筆登記・建物表題登記・許認可業務を行っています。

現況測量や確定測量に関するご相談は、
【 こちらのお問い合わせフォーム 】 からお気軽にご連絡ください。